成人式前撮りの日。母娘で共有する、お気に入りハンドバッグ

成人式振袖の前撮りの前日。
翌日の準備をしていると、娘が私のバッグを手に取り、
「ママ、このバッグ、使ってもいい?」
それは、私がずっと大切にしてきた本革のハンドバッグ。

娘の入学式や卒業式、七五三のときにも、私はノートルファボリの「ブランシュ」を手にしていた。
シンプルだけれど品があって、どんな装いにも馴染むデザイン。
洋装にも和装にも自然と寄り添うから、ハレの日にはいつもこのバッグを選んでいた。
もちろん翌日も持つつもりだったけれど…。
今回は主役の娘にそのバッグを譲り、私は代わりのバッグ
ノートルファボリの「シモーヌ」を選ぶことにした。

振袖に合わせる和装用の小ぶりな可愛いバッグもあったけれど、
前撮りや成人式って意外と荷物が多い。
財布、スマホ、モバイルバッテリー、ハンカチやちょっとしたメイク道具…。
必要なものはしっかり持っておきたい。

娘も「これ、思ったよりいっぱい入る!」と驚いた様子で笑っていた。

見た目以上の収納力に驚く娘の声に、「そうなのよ!」となぜか自慢げに答えて、
二人で顔を見合わせて笑ってしまった。

そして迎えた前撮り当日。
支度が整っていく娘の姿に、「大きくなったなぁ」と胸の奥がじんわり温かくなるのを感じつつ、
帯を締めてもらっている後ろ姿を、私はじっと見つめていた。

着付けが終わると、娘の選んだ振袖に、私のバッグが思っていたよりもずっとよく似合っていて、
なんだか嬉しくなった。
母として、このバッグを持って娘の節目を何度も見守ってきた。
今、そのバッグを娘が手にして新たな一歩を踏み出す。
そんな日が来るなんて…。胸がいっぱいになった。

スタジオでは、いろいろな背景やセットでたくさんの写真を撮影し、娘はすっかりモデル気分。

そして今回は、せっかくの機会だからと、妹も一緒に撮影することに。

七五三のときに着た思い出の着物を、今度は袴スタイルで着付けてもらって、
家族写真も撮影した。

お姉ちゃんの晴れ姿に負けじと、妹も少し背伸びをしたような表情で、
それぞれの「今」の一瞬を切り取った、宝物のような写真になった。



予想外にお天気にも恵まれたので、スタジオ撮影後は和装のまま近くを散策することに。
家族だけの時間の中で、親娘3人でバッグを変えっこしては笑い合ったり、
スタジオとはまた違う自然な表情のスナップを撮ったり、
大満足の楽しい思い出になった。



帰り道、娘が
「成人式当日もこのバッグで行きたいな!また借りていいよね?」
「普段も使っちゃおうかな?」
そう聞いてくる娘に、「もちろん」と答えながら、
心の中で「このバッグは、私だけのものじゃなくなったんだな」と静かに感動していた。

親子で一緒に使えるものがあるということ。
それは、ただ物を共有しているのではなく、
時間や思い出を一緒に重ねているような気がする。
これからも、このバッグが、私たち母娘の毎日の中で何度も登場してくれたらいいな。
特別な日も、何気ない日も、
「お気に入り」としてそっと寄り添ってくれますように。






